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中央アジア・カスピ海盆地諸国の経済統合が勢いを増しています。アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタンは、グリーンエネルギー計画の策定を進めており、主に風力と太陽光を活用して、電力グリッドを連携させ、欧州連合への電力輸出を目指しています。
この3カ国のエネルギー大臣は5月初旬、欧州連合向けの電力輸出潜在能力の調査を目的とした覚書に署名したことを発表しました。カザフスタンは水力発電容量の増加も目指しています。3カ国のメモにはカスピ海の海底に「高電圧ケーブル」を敷設することが見込まれており、その伝送線路の技術仕様は既に開発済みであるとカザフスタンのエネルギー大臣アルマサダム・サトカリエフ氏が述べています。
ミニストリーの 声明によると、サトカリエフ氏は、「国際的な送電回廊の開発（資金調達、収益流れ、所有権）と欧州連合諸国への緑のエネルギーの販売に向けた提案されたビジネスモデルが策定される予定だ。」と語っています。
3カ国は計画の推進を急がずにはいません。サトカリエフ氏は5月10日に実現性調査が進行中であると述べました。彼はEUが新興コンソーシアムにクリーンエネルギーの購入に興味を持っていると記者たちに伝えました。実現性調査には建設と資金調達の詳細がまとめられ、年内に予備見積もりが出る見通しです。プロジェクトの価格や輸出電力量を踏まえるにはまだ早すぎます。
「かなりの投資額がかかる見込みです」とサトカリエフ氏は述べました。
3者メモの中心的な取り組みは、アメリカが提案した経済計画であるB5+1に連動しており、中央アジア諸国が地域間の貿易障壁を取り払い、新たなネットワークを構築して貿易と投資を促進することを目指しています。B5+1が2022年3月に始まって以来、中央アジア諸国は貿易規則を簡素化する措置を講じています。3者メモは、中央アジアを超えてカスピ海にまたがる地域協力の促進において重要な一歩です。
EUへの電力輸出の目標は、3か国全てが今後数年間において再生可能エネルギー発電容量を大幅に拡大する計画に合致しています。
電力輸出の主要な推進力はウズベキスタンであり、同国は2030年までに再生可能源を通じて追加で20ギガワット（GW）を発電することを目指しています。この目標の達成により、同国の合計再生可能容量が27 GWに増加します。4月までに政府は風力および太陽光発電所の開発契約を締結し、12 GWを生産すると予測されています。5月にはさらに6 GWの契約を締結しました。
「エネルギー産業の効率向上は、私たちの地域全体にとって重要です」とウズベキスタンのシャフカット・ミルジヨエフ大統領は5月初旬のタシケント投資フォーラムで述べました。
カザフスタンとアゼルバイジャンは、電力輸出の取り決めにおいてもっぱら促進役割を果たすことになりそうです。石油資源が豊富なアスタナの再生可能エネルギー目標はウズベキスタンのそれよりも控えめです。現在カザフスタンは再生可能源から約2.9 GWの電力を生産し、2030年までに少なくともさらに5 GWの追加を目指すとサトカリエフ氏は述べています。しかし、その多くの容量は国内で必要とされるかもしれません。カザフスタンは2023年に電力不足に苦しんでおり、電力の純輸入国となっています。
アゼルバイジャンは、2030年までに5 GWの太陽光および風力発電を目標としており、カザフスタンとウズベキスタンとの覚書は、2022年のロシアのウクライナへの無理解な侵攻の前に行われたEU諸国（ハンガリーやルーマニアを含む）との電力輸出協定に基づくものです。この協定は、黒海を横断する海底ケーブルを介して1,000メガワットの容量で電力を輸出するというものです。黒海プロジェクトの実現性調査は2022年のロシアのウクライナ侵攻前に行われており、戦時下での実現可能性について疑問が投げかけられています。
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