大阪府立大学の研究者たちは、ナトリウムを含む硫化物の大量合成プロセスを開発しました。 高い導電性と成形性を持つ電解質の大量合成は、リチウムイオン電池よりも安全でコストが低いと考えられる全固体ナトリウム電池の実用化に不可欠です。ナトリウムはリチウムよりも遥かに豊富なため、より安価となると期待されています。
この発見結果について議論した報告書が、ジャーナルEnergy Storage Materials and Inorganic Chemistryに掲載されました。研究者たちは、世界で最高のナトリウムイオン伝導率を持つ固体硫化物電解質と高成形性を持つガラス電解質を大量合成するプロセスを開発しました。
全固体ナトリウム電池用の合成材料。合成された固体硫化物電解質Na2.88Sb0.88W0.12S4は、世界で最高の報告されているナトリウムイオン伝導率を持っています。画像提供: 大阪府立大学の阪田篤志氏 プレスリリースページで最大の画像を見るにはこちらをクリックしてください。
環境に優しいエネルギーの追求には、そのエネルギーを貯蔵するための効率的な充電式バッテリーも必要です。
現在最も広く使用されているのはリチウムイオン電池ですが、ナトリウムはリチウムよりも豊富であるため、全固体ナトリウム電池が注目されています。したがって、ナトリウム電池はより安価であり、全固体電池は安全と考えられていますが、処理の問題のため、大量生産が難しかったです。
大阪府立大学の林暁教授と坂田篤志准教授、共に工学研究科の研究チームは、ナトリウムを含む硫化物の大量合成をリードしました。
硫黄の原子が2つ以上含まれる硫化物であるナトリウムポリ硫化物を材料兼融剤として使用し、融合を促進するチームは、実用化に必要な約10倍のナトリウムイオン伝導性を持つ固体硫化物電解質と高い還元抵抗を持つガラス電解質を作成しました。
このような高導電性と成形性を持つ電解質の大量合成が、全固体ナトリウム電池の実用化に不可欠です。
坂田准教授はコメントしました。「この新たに開発されたプロセスは、固体電解質や電極活物質を含むほぼすべてのナトリウム含有硫化物材料の製造に役立ちます。また、従来の方法と比較して、このプロセスにより、高性能を発揮する材料をより簡単に得ることができるため、将来の全固体ナトリウム電池用材料の開発において主流のプロセスになると信じています。」
**
この開発がナトリウム電池の化学を量産に変えることができれば、多くの人気のある電子機器のコストに大きな変革となるでしょう。なぜなら、バッテリーが特に低コスト機器において多くのデバイスの主要なコスト要素だからです。
この技術がナトリウム技術を市場に近づけることを期待しましょう。
ADVERTISEMENT
By Brian Westenhaus via New Energy and Fuel