キルギス議会、ウラン採掘禁止を解除

キルギスタンの環境活動家は、議会が5年間の中断後、ウラン採掘を再開するとの決定を受けて、災害の可能性が高まっていることに懸念を示しています。

6月初旬、キルギスの議会であるジョゴルク・ケネシュは、2019年以来施行されていたウランおよびトリウムの採掘禁止を解除するための政府法案を承認しました。新しい規制は、法律がサディル・ジャパロフ大統領によって署名された後、間もなく広く期待されているとおりに発効します。

採掘再開を推進する中で、政府は、ウラン生産が、新型コロナパンデミックやロシアの制裁によって引き起こされた混乱を克服しようとして苦しむキルギス経済に、非常に必要な財政的援助を供給できると主張しています。ジャパロフ大統領は、採掘再開が国庫に200億ドルの臨時収入をもたらす可能性があると述べています。

「我々は、国家に少しでも経済的利益をもたらす仕事を継続する必要があります。せめて次の10年で隣国と同等の水準に達しましょう」とジャパロフ氏は述べています。

ウラン採掘を経済上の必要性と位置付けながらも、同国の指導部は、厳格な環境基準を維持し、作業を保護するために新技術を使用することを約束しています。

キルギスタンには、2019年の禁止措置以降、未開発だったいくつかの既知のウラン鉱床があります。最大の鉱床のいくつかは、周辺環境に配慮が必要な地域にあり、キルギス市民からは「キルギスの真珠」と広く見なされているイシク湖に隣接しています。

鉱業禁止の解除は、一部の環境保護主義者によって中央アジア諸国に原子力発電所を建設する道を開いたと見なされています。関係官がロシアの国営企業であるロザトムの支援を受けて新しい原子炉を建設する取り組みを進めています。キルギスの関係官は、約100万人に電力を供給できる小型モジュラー原子炉を建設する興味を確認しています。キルギスタンの原子力エネルギーへの関心は、地球温暖化と気候変動の影響に起因しており、これが同国の主要発電源である水力発電を阻害しているからです。

政府のウラン採掘と原子力への支持は、環境保護主義者を不安にさせています。地震の多い国で原子炉が稼働する可能性は多くの人にとって安心できません。自然災害の脅威に加えて、キルギスタンが貴金属採掘（金やウランを含む）の有害影響を抑える安全記録が乏しいことは、もう一つの大きな懸念です。結局、環境汚染に対する一般市民の抗議活動が2019年に政府にウラン採掘の一時停止を促したのでした。

今年5月、一群のキルギスの活動家が環境省に訴えて、ウラン採掘の再開が既存の環境課題を悪化させる可能性があると警告しました。「[ウラン採掘]から最高20億ドルの利益を引き出すとされていますが、誰も破壊された土地を修復する費用がいくらになるのかということは誰も言及していない」と活動家は書いています。

新たな危険や事故の恐れは無根ではありません。6月1日に、ナリン地方のジュムガル地区で、ロザトムのトラックが川に転落する事故が発生しました。そのトラックはウランのテイリングの清掃作業に関与していました。緊急事態省の関係者は、事故当時トラックが空だったと述べました。しかし、インターネットで広まっている映像は公式の説明と矛盾し、トラックから黒い泥が川に流れ出たように見えます。

4月にロイター通信が公開した報告によると、ウランテイリングの大容量を含む貯水池は不安定なダムで囲まれています。そのダムは2017年の土砂崩れで大きな損傷を受けました。同様の土砂崩れや地震が発生すると、これらの構造が破壊され、「チェルノブイリ並みの原子力災害が起こりかねない」とロイター報告は述べています。有毒廃棄物は、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンを含むフェルガナ盆地の農地に供給される河川網全体に広がる可能性があります。

ライター：アイジレク・イマナリエワ 情報元：eurasianet.org